お寺までの道のりにキレイな桜並木があって、あずきを抱いて今にも開きそうな蕾を見ていたら涙がボロボロと出てきました。
ちょうど一年前、伊豆旅行で見た桜。
ベテあずと、今まで何度も旅行をしたけれど、この時ほど行けた事の喜びと感謝を感じた時はありませんでした。
もう一度、美しい大きな桜を一緒に見たかった。
日に日に想いは募り恋しいです。
かけがえのない唯一無二の存在。
どうして会えないんだろう。
どうして触れることが出来ないんだろう。
そして瞬間瞬間に目にする光景や物や思い出に、ちょっとでも触れれば胸がぎゅっとして、会いたい想いに涙が溢れます。
積み重ねてきた月日を、巡ってきた季節を、どんな感情をも笑顔で話せるには時間がかかりそうだけど、泣きながらでも前には進まなきゃいけないと思っています。
あずきへ
あずきは本当にお利口さんだね。
お利口さんっていうと、いつも嬉しそうに誇らしげにシッポを振って喜んでいたよね。
変わらない毎日に思えていた日々も、きっとあずきはお母さんに心配かけまいと、気がつかないよう小さく悲鳴をあげながらも、必死に生きようと頑張ってくれていたんだと、今そう感じています。
そしてあの辛い一週間の入院に耐え、目標にしていた14歳を迎えて生きて帰ってきてくれた。
私達のために、限界を超えてよく頑張ってくれましたね。
滅多にないお父さんの長期休暇から一ヶ月、眠る時間ももったいないと思うくらいの濃密な時間を、私達にくれました。
いつもペタっと体をくっつけて、一秒足りとも離れたくなかった。
運転の練習をして自信がもてたって思ったら、あずきと毎日の通院ドライブが始まりました。
退院してから下り坂を転がるようだったけど、それでも覚悟のできないお母さんに、ものすごい精神力で生きる姿を、そして弱っていく姿を見せ、準備をさせていたんだね。
旅立つ前日、食べれなくなっていたのに、不安になる私達を安心させようと、歪んだ表情をしながらも、一生懸命食べてみせてくれた。
あの日の朝、出ない声でファンファンと鳴き、私に何か最後のメッセージをくれたんだね。
そしてお父さんの帰りを待って、お母さんの腕の中で穏やかな旅立ち。
私が後で苦しまないように、全ての願いを叶えてくれて、力尽きたんだね。
ベティの闘病の三ヶ月も、ベティの事だけに専念できるように、いつもじっと我慢して静かに寄り添ってくれていたね。
いつでもベティを気にかけ、夜中に発作を起こした時も、すぐに私達に吠えて知らせてくれた。
あの時も、あずきはすごい子だなって思いました。
あずきの愛は深く、本当に感謝ばかりです。
こんなにも、心を通わせられるという事を教えてくれました。
ベティが亡くなって、ひどいペットロスになった私を、あずきは自分が腎不全という病気にかえて、私を救い出してくれたのかなと思っています。
小さな体に、色々な事を背負わせてしまっていたね。
感謝と笑顔で前に進む事が、私にできる恩返しだと頭では分かっているのに、いつまでもグダグダでごめんね。
今度はもっともっと、しっかりしたお母さんになるから、幸せって思ってもらえるようにちゃんとするから、もっともっと美味しいごはんも作るから、今度は病気になんてさせないから、どうか早くお母さんの所に帰ってきてください。。
またベティとあずきと暮らせる日まで、それまではお母さんの心の奥深い所にある天国で一緒だからね。
2歳
3歳